心に残っている童話『手袋を買いに』

今週のお題「名作」。私にとっての名作は、新美南吉さんの童話『手袋を買いに』。小学校の教科書に載っていて読んだのが最初で、それ以降、ずっと心に残っています。

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内容は、子ぎつねが人間の街の帽子屋さんに手袋を買いに行くお話なのですが、人間が怖いお母さんきつねは、子ぎつねの片方の手を人間の手に変えて、「こっちの手を出して、手袋をくださいって言うのよ」と子ぎつねを送り出します。だけど、子ぎつねは間違えた方の手を出してしまう。帽子屋さんはきつねがいたずらに来たなと思うのですが、子ぎつねが本物の人間のお金を出したのを見て、ちゃんと手袋を売ってくれるのです。新美南吉さんと言えば、『ごんぎつね』が圧倒的に有名ですが、私はこの『手袋を買いに』の方がほっこり幸せで好きです。教科書には黒田健さんの柔らかい挿絵が載っていて、それがこの話の雰囲気とよく合っているんですよね。すでに著作権が切れているようで、ネットでも読むことができます。優しい気持ちになれる名作です。